虫歯予防のためには、歯みがきは大切な生活習慣の一つです。乳幼児から子供自身に歯みがきをさせる保護者も増えています。自分で歯ブラシを持って歯をみがくことは、子供の成長発育にとって大切なことです。

一方で、乳幼児が歯みがき中に事故をおこし、手術や入院が必要になった事例も多く報告されています。乳幼児の歯みがきは保護者が注意し、事故の危険性についての認識を持つことが大切です。



●事故の概要

消費者庁と国民生活センターが0〜3歳の1人で頻繁に歯みがきをおこなっている乳幼児を持つ保護者1200人を対象におこなった調査では、4人に1人が歯みがき中に怪我をした(もしくは怪我をしそうになった)経験をもちます

事故の内訳では、歯みがき中に転んだ(転びそうになった)乳幼児が16%、人や物にぶつかった(ぶつかりそうになった)乳幼児が6%、踏み台等から転落した(転落しそうになった)乳幼児が2%となっています。

歯みがき事故の経験 事故の経験


東京都(東京消防庁管内)では、5年間に5歳以下の乳幼児207人が歯みがき中に受傷した事故により救急搬送されています。年齢では1〜3歳が最も多くなっています。

特に1歳児は歯ブラシを口にくわえたり、手に持ったまま歩き回ることが多く、保護者の付き添いがないことがあり、これが事故の多さにつながっています。

歯みがき事故を起こす年齢 年齢(人)


症状では軽症が85%と多くを占めるものの、入院が必要な乳幼児が14%、生命の危機が強い乳幼児が1%いました。

歯みがき中の事故の症状 症状

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●事故事例

消費者庁、国民生活センターによる調査では、歯みがき中の事故として下記が報告されています。


事例1)歯みがき中に歩いて転倒(2歳、男児、中等症)

室内で歩きながら歯みがきをしていたところ、畳の部屋で前方に転倒。歯ブラシ全体に血液がつき、のどに傷ができていた。


事例2)歯みがき中に物にぶつかる(1歳、男児、中等症)

兄に追いかけられて歯ブラシをくわえて走っていたところ、ソファにぶつかって歯ブラシがのどに突き刺さる。嘔吐し、鼻と口から出血。


事例3)歯みがき中に椅子から転落(1歳、男児、軽症)

椅子(高さ50cm)の上に立って歯みがきをしていたところ、椅子から転落。歯ブラシが2つに割れて口の中に刺さっていた。歯ブラシを抜いたところ出血していたため、救急を要請した。

救急車 東京都内だけで、5年間で207人の乳幼児が救急搬送されています

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予防方法

歯ブラシを口にくわえたり、手に持たせたまま歩き回らせないようにします。座って歯をみがき、歯みがきに集中させます。

椅子や踏み台から転落して怪我をすることがあるので、不安定な場所での歯みがきは避けるようにします。

歯みがき中に人や物と接触して怪我することも多くあるため、歯みがき中は保護者が付き添い、周囲に注意を払うようにします。

事故の危険性が高い3歳までは、安全性の高い歯ブラシを選択するのも方法です。

毎日しっかり歯磨き 乳幼児の歯みがきには細心の注意を払います



曲がる歯ブラシ

2015年に大阪の会社(DHL)から世界初の「曲がる歯ブラシ」が、2017年にはライオンから前後だけでなく左右にも曲がる歯ブラシの販売が始まりました。

一般に歯ブラシは曲がると清掃効果が落ちる傾向にありますが、曲がる歯ブラシの多くは清掃効果が落ちず、安全性が高い歯ブラシとなっています。

歯みがき中にのどを誤って突き刺してしまっても、歯ブラシが曲がるため、衝撃を軽減できる効果があります。歯みがき中にどうしても動き回ってしまう子供にオススメの歯ブラシです。

曲がる歯ブラシ 曲がる歯ブラシ



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