新型コロナウイルス感染症 歯とお口の後遺症 横浜・中川駅前歯科
2020年夏頃から、新型コロナウイルス感染症の後遺症に関する研究論文が発表されるようになりました。まだまだ未解明な点も多々ありますが、下記は世界的に著名な医学誌であるJAMA、ランセットなどで発表された研究論文等をもとに記載したものです。ご参考になれば幸いです。

新型コロナウイルス感染症について



新型コロナウイルス感染後の後遺症

新型コロナウイルス感染症の感染者増加に伴い、感染後の後遺症に悩む人、苦しむ人も増加しています。治ったはずなのに、疲れや息苦しさなどの症状が続く人がいます。後遺症の概要は下記となっています。


後遺症の特徴
・感染してから半年、1年たっても後遺症が続いている人がいる。
・性別では女性、診断時に重症だった人が多い。
・記憶力低下、集中力低下、抑うつ、脱毛はしばらくしてから現れる。


主な後遺症
倦怠感/味覚障害/嗅覚障害/せき/呼吸困難/脱毛/集中力低下/記憶力障害/抑うつ/不安感/動悸/吐き気/下痢/胃痛 ほか


【2021年10月発表】
国立国際医療センターの研究グループが、新型コロナウイルス感染症で退院した患者さん(457人、84%が軽症)に対しておこなった調査では、下記の結果となりました。国内では最大規模、最長期間での追跡調査となります。2021年1月の中国・武漢の大規模調査は全員が入院患者だったため、この結果は中国・武漢の報告よりも後遺症が軽いものとなっています。

発症から6ケ月経過時点で26.3%、1年経過時点で8.8%の人に後遺症がみられ、女性ほど倦怠感、味覚・嗅覚障害、脱毛が発現しやすい傾向にあった。また、若い人、やせている人ほど味覚・嗅覚障害があらわれる傾向にあった。


【2021年3月発表】
サンラファエル大学病院(イタリア)の研究グループが、新型コロナウイルス感染症から回復した患者さん(122人)に対しておこなった調査では、下記の結果となりました。

E F Gherlone  Frequent and Persistent Salivary Gland Ectasia and Oral Disease After COVID-19 J Dent Res  2021 May;100(5):464-471.

口の中の後遺症としては唾液腺拡張症が最も多く(38%)、そのほかの症状としてドライマウス(30%)、かむ力の低下(咀嚼力低下、19%)、味覚障害(17%)、あごの関節異常(顎関節症、7%)がみられた。


【2021年1月発表】
中国・武漢の医師らの研究グループが、新型コロナウイルス感染症で退院した患者さん(1733人)に対しておこなった調査では、下記の結果となりました。これまで世界で発表された研究論文のなかでは最大規模のものです。

Chaolin Huang, Articles 6-month consequences of COVID-19 in patients discharged from hospital: a cohort study The LancetVol. 397No.10270p220–232 Published: January 8, 2021

退院から6ヶ月後の評価時点で、76%の患者さんに後遺症がみられた。軽症者でも高い頻度で後遺症がみられた。後遺症では、倦怠感や筋力低下(63%)、睡眠障害(26%)、脱毛(22%)、嗅覚障害(11%)、動悸(9%)、関節痛(9%)、食欲不振(8%)、味覚障害(7%)などがみられた。

症状 軽症 中等症 重症 合計
人数 439人 1172人 122人 1733人
倦怠感、筋力低下 66% 59% 81% 63%
睡眠障害 27% 26% 26% 26%
脱毛 22% 21% 24% 22%
味覚障害 9% 7% 7% 7%


【2020年11月発表】
国立国際医療センターの研究グループが、新型コロナウイルス感染症で退院した患者さん(78人)に対しておこなった調査では、下記の結果となりました(2020年11月発表)。

Miyazato Y, Prolonged and Late-Onset Symptoms of Coronavirus Disease 2019 Open Forum Infectious Diseases, Volume 7, Issue 11, November 2020

発症から2ヶ月後の評価時点で、後遺症は倦怠感(15.9%)、呼吸困難(17.5%)、せき(7.9%)、味覚障害(4.8%)、嗅覚障害(19.4%)がみられた。注目すべき点として24.1%に脱毛がみられた。


【2020年8月発表】
ジェメッリ大学病院(イタリア)の研究グループが、新型コロナウイルス感染症から回復した患者さん(143人)に対しておこなった調査では、下記の結果となりました。

Carfì A, for the Gemelli Against COVID-19 Post-Acute Care Study Group. Persistent Symptoms in Patients After Acute COVID-19. JAMA. Published online July 09, 2020.

発症から2ヶ月後の評価時点で、患者さんの32%に1~2つの後遺症があり、55%は3つ以上の後遺症がみられた。

後遺症では、倦怠感(53%)、呼吸困難(43%)、関節痛(27%)、胸痛(21%)が多く、せき、ドライマウス、味覚障害、嗅覚障害、ドライアイ、頭痛、食欲不振、めまい、筋肉痛、下痢といった症状がみられた。




新型コロナウイルス感染症の歯とお口の後遺症


1)味覚障害
食べ物の味がしないなどの味覚障害は、新型コロナウイルス感染症の最初の症状としてあらわれることがありますが、後遺症としてもあらわれます。期間がたつにつれて改善する傾向があるものの、改善しない場合は治療の対象となります。

国立国際医療センターがおこなった大規模調査(2021年10月発表)では、発症6ケ月後は3.5%、発症1年後は0.4%の人に味覚障害がみられました。

関連するページ  味覚障害  新型コロナウイルス感染症による味覚障害


2)ドライマウス
味覚障害ほどではないものの、後遺症として口が渇くなどのドライマウスの症状があらわれることがあります。唾液腺拡張症、薬の服用、免疫力の低下がドライマウスの一因となっていると考えられています。

関連するページ  ドライマウス(口腔乾燥症)


3)歯の脱落
後遺症として確実にあるとはいいきれないものの、新型コロナウイルス感染症によって歯が抜け落ちたとの報告も海外ではあります。新型コロナウイルス感染による免疫の機能異常(サイトカインストームほか)が原因と考えられているほか、もともと歯周病などにかかっていた歯が免疫の低下によって抜け落ちた可能性も指摘されています。

関連するページ  歯周病


4)歯みがき
最も多い後遺症として倦怠感があり、倦怠感から歯をみがくのも困難になることもあります。歯をみがけないときは、うがいだけでもするようにしましょう。

関連するページ  予防歯科


5)舌痛
当クリニックで治療をおこなっていると、新型コロナウイルス感染症の治癒後から舌が痛みが続く患者様が来院されます。舌の痛みは、病気によるストレス、免疫力低下、ドライマウスなどが影響していると考えられます。

関連するページ  舌痛症(舌の痛み、違和感)


6)そのほか
そのほかの症状として、咀嚼力低下(かむ力の低下)、顎関節症(あごの関節異常)があります。

関連するページ  顎関節症



新型コロナウイルス感染症の後遺症のご相談、治療

新型コロナウイルス感染症の後遺症の治療は、症状に応じて内科、耳鼻咽喉科、歯科などの医療機関に受診して治療をおこないます。

歯とお口の健康に関しては、当クリニックでもご相談をお受けしています。また、後遺症外来を設置している医科大学病院もあり、当クリニックでご紹介させていただくことも可能です。


1)歯とお口の後遺症のご相談、治療(当クリニック)

メールでのご相談   外来でのご相談、治療 ご予約(045-910-2277

交通
横浜市営地下鉄 中川駅徒歩10秒(渋谷、横浜より25分、あざみ野より3分)


2)後遺症のご相談、治療(医科)

聖マリアンナ医科大学 新型コロナウイルス感染症後外来
2021年1月に外来が開設されました。症状に応じた評価を行い、各専門医との連携、心のケアや漢方の治療など、あらゆる観点からの対応をおこなっています。受診には紹介状が必要となります。

対象
16歳以上、PCR検査等で陽性後、2ヶ月以上経過した方

交通
横浜市営地下鉄、東急田園都市線 あざみ野駅よりバス30分
小田急線 新百合ヶ丘駅よりバス30分 向ケ丘遊園駅、百合丘駅よりバス20分



新型コロナウイルス感染症 歯とお口の後遺症
(2021年10月13日更新)