巨細胞性動脈炎 横浜・中川駅前歯科クリニック

●巨細胞性動脈炎とは

頭の両側(側頭部)におきる血管の炎症(血管炎)で、日本では女性がやや多く、平均発症年齢は71.5歳、60〜70歳代に多くみられる病気です。欧米の白人に多く、アジア人は少ない傾向にあります。

側頭動脈炎とよばれていましたが、血管炎の名称を定める国際基準CHCC(Chapel Hill Consensus Conference)の2012年改訂で現在の名前となりました。

疲れやすい、だるい、発熱といった全身の症状のほか、血管が狭くなることによって、頭痛がおきたり、眼が見えにくくなります。4〜5割の患者さんに視力障害がみられ、1割の患者さんが失明するとされています。また、3割の患者さんが筋肉痛をおこす病気「リウマチ性多発筋痛症」になります。

杖 50歳以上の中高年がかかる病気です



●巨細胞性動脈炎の歯科症状

炎症が口周辺の動脈(顎動脈、顔面動脈、舌動脈)に及ぶと、歯、歯肉、あご、舌が痛むといった症状があらわれます。最初に歯科症状があらわれることがあり、そのため歯科医院に受診する患者さんもいます。

症状が似ているため、巨細胞性動脈炎の発症頻度はまれなため、虫歯、歯周病、顎関節症、舌痛症、三叉神経痛に間違えられることもあります。


顎関節症(がくかんせつしょう)
口が開きにくい、あごが痛い、食べ物がかみにくいといった、顎関節症の症状があらわれることがあります。巨細胞性動脈炎の初発症状の14%、主症状の16%に顎関節痛がみられたとの報告もあります。

高齢者 あごの痛みが生じることがあります

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顎跛行(がくはこう)
かみ合わせの筋肉の痛みと疲労によって、食事や会話の中断と再開を繰り返す現象で、巨細胞性動脈炎に特有の症状とされています。初発症状の2%、主症状の36%に顎跛行がみられたとの報告もあります。

あごを動かすと血流が減少することによって痛みが生じ、あごの動きが止まりますが、止めると血流が回復して痛みがなくなります。

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巨細胞性動脈炎の診断基準

米国リウマチ学会の分類が広く使用されています。下記5項目のうち、3項目以上が当てはまると巨細胞性動脈炎と診断されます。

1.発症年齢が50歳以上。
2.経験したことのない局所的頭痛
3.側頭動脈の圧痛または脈拍低下
4.赤沈50mm/h以上
5.動脈生検で単核球浸潤または肉下種を伴う血管炎、通常は巨細胞を伴う



●治療

診断と治療は、主に膠原病、リウマチの治療をおこなう医療機関でおこないます。治療は主にステロイド剤による治療となります。経過は良好であることが多いものの、治療期間は数年に及び、治療を中断すると再発することがしばしばあります。

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