口腔カンジダ症の治療 横浜・中川駅前歯科クリニック
カンジダが口の中にいても症状がなければ、多くの場合において治療の必要はありません。症状がある場合は治療の対象となります。多くは1〜2ヶ月治りますが、治療が長引いたり、再発することもあります。



●口の中の清掃
口の中が汚れていると、カンジダが繁殖しやすい環境となります。毎日の歯みがきをしっかりするのはもちろんのこと、定期的に歯科医院で汚れや歯石を取ってもらい(歯のクリーニング)、カンジダが繁殖しにくい環境にしていきます。

クリーニング前  クリーニング後 歯石、ヤニ、茶渋の除去前(左)と除去後(右)

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●入れ歯の清掃
入れ歯のプラスチックはカンジダが強固に付着しやすく、プラスチック面は多孔質のためにカンジダが深くまで侵入しやすくなっています。カンジダが入れ歯に定着すると、完全に除菌することは困難となります。

新しい入れ歯の使用を始めたときから、ブラシで清掃したり、入れ歯洗浄剤を使用してカンジダが定着、繁殖しないようにしていきます。

ロート・ピカ 入れ歯洗浄剤

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●薬の使用※1
殺菌性のあるうがい薬のほか、カンジダに有効なフロリードゲル経口用、ファンギソンシロップといった塗り薬やうがい薬を使用します。

フロリードゲル経口用はカンジダ・アルビカンスには高い効果を示すものの、入れ歯を使用している高齢者に多くみられるカンジダ・グラブラータには効果が低い傾向にあります。

最近では、イトラコナゾール内容液が効果の高い薬として使用が広がっています。それそれ特徴がありますので、症状にあわせて適切な薬を使用していきます。


口腔カンジダ症で使用される薬
歯科、口腔外科などの医療機関での処方が必要となります。当院で全て取り扱っております。
製品名 フロリードゲル経口用 ファンギゾンシロップ
ハリゾンシロップ
一般名

ミコナゾール

アムホテリシンBシロップ

妊婦 ×
小児
血中移行 ほとんど移行しない ほとんど移行しない(他の薬との併用が可能)
使用回数 1日4回(塗る)

1日2〜4回(たらす)

特徴 口唇や口角に塗りやすい。
入れ歯に塗るのも効果的。
塗る範囲が広いときは使用しにくい。
カンジダ・グラブラータには効果は低い
飲み込み障害(嚥下障害)のある人も使用できる。
炎症が強いときは痛みが生じることがある。
ワルファリン、イグザレルト、ハルシオンなど併用できない薬がある。
吸収されないので副作用は殆どない。
他の薬との併用が可能。
特有のにおいと味がある。
炎症が強いときは痛みが生じることがある。
費用が最も安く最も使用されている。
ハリゾンシロップはファンギゾンシロップの後発薬だが、費用は変わらない
写真 フロリードゲル経口用20g ファンギゾンシロップ


商品名

イトリゾール内用液
イトラコナゾール内用液・ファイザー

イトリゾールカプセル
イトラコナゾールカプセル・SW

一般名

イトラコナゾール

妊婦

×

小児

血中移行

移行する(重症例にも効果あり)

使用回数

1日1回(たらす、飲む)

特徴

痛みの強いときにも使用しやすい。    下痢や軟便が生じやすい。
ハルシオンなど併用できない薬が多い。  1日の服用。回数が少くて済む。
カンジダ・グラブラータには効果は低い。

淡い甘みがあり、ファンギゾンシロップよりも味はよい。
2つの作用(口に含む直接作用と血中に移行してからの作用)がある。
効果は高いが費用が高い。イトラコナゾール内用液・ファイザーはイトリゾール内容液の後発薬で費用は安い
ハルシオンなど、併用できない薬がある。

シロップよりも服用が楽。
食直後に服用しないと効果が弱い。
イトリゾール内容液よりも効果は落ちるが、下痢や軟便はおきにくい。
イトラコナゾールカプセル・SWはイトリゾールカプセルの後発薬で費用は安い

写真

イトリゾール内容液

イトリゾールカプセル


製品名 オラビ錠口腔用
一般名

ミコナゾール

妊婦 ×
小児
血中移行 ほとんど移行しない
使用回数 1日1回(貼る)
特徴
上あご前歯の歯肉に貼り付ける。
フロリードゲルと同じ成分。
飲み込み障害(嚥下障害)のある人も使用できる。

ワルファリン、イグザレルト、ハルシオンなど併用できない薬がある。
写真 オラビ錠口腔用
※上記の薬は全て医療機関(主に歯科医院)での処方が必要となります。
※イトラートカプセルは2015年にイトラコナゾールカプセル・SWに名称変更されました。
※イトラコナゾール内用液・ファイザーは2018年6月に販売が開始されました。
※オラビ錠口腔用は2019年2月に販売が開始されました。


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●ドライマウス(口腔乾燥症)治療
ドライマウスは唾液による口内の清掃性の低下、唾液に含まれる抗真菌物質(ラクトフェリン、ヒスタチンなど)の減少、口内のphの低下(酸性になりやすくなる)をもたらします。その結果、カンジダが繁殖しやすくなります。

唾液を増やしていくことで、カンジダを増やさないようにしていきます。

関連するページ  唾液の働き



●そのほか
がん、糖尿病、腎臓病、後天性免疫不全症候群(エイズ)など、原因となる病気があれば、その病気の治療をおこなうことで症状が改善することがあります。

関連するページ  糖尿病  慢性腎臓病  性感染症と口腔



※1 中川洋一ら 口腔カンジダ症に対する抗真菌薬の臨床効果の適切な判定方法に関する研究 抗真菌薬の効果判定基準作成委員会報告 歯科薬物療法 30(1)29-40, 2010


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