口腔カンジダ症の原因 横浜・中川駅前歯科クリニック

口腔カンジダ症の原因

口腔カンジダ症は、健康な人では害を及ぼさない弱い細菌(カンジダ)が原因で発症する感染症(日和見感染)です。身体と細菌との間で保たれていたバランスが、身体の免疫力の低下により崩れることで発症します。

国内の大学医学部がおこなった調査では、口腔カンジダ症の原因の62%がドライマウス、抗がん剤や放射線治療が16%、入れ歯が7%、ステロイド剤の使用が4%、抗生物質が2%、糖尿病が2%でした。

口腔カンジダ症では、薬の服用などによる治療だけでなく、身体の問題を解決することも大切となります。口腔カンジダ症の発症要因としては、下記があげられます。

当クリニックの経験(これまでに1000人以上の患者様が来院)では、ドライマウス(口腔乾燥症)、ステロイド(喘息や口内炎の薬など)、清掃不十分な入れ歯、免疫低下(睡眠不足、ダイエット、がんなど)などが多い傾向にあります。

年齢ほか 高齢者/妊婦/乳幼児/要介護・寝たきり
局所的要因 ドライマウス摂食嚥下障害(食べる、飲み込む機能の低下)/軟らかいもの中心の食事/清掃が不十分な入れ歯/口内の汚れ/口内炎(ステロイド軟膏の使用)/プラスチックでできた歯科材料(コンポジットレジンなど)
全身的要因 喘息(吸入ステロイド剤の使用)/慢性閉塞性肺疾患(同)/がん治療(放射線治療、抗がん剤、終末期、免疫低下)/睡眠不足/ストレス/疲れ/ダイエット/抗生物質の長期使用/脳血管障害/糖尿病逆流性食道炎鉄欠乏性貧血/自己免疫疾患(シェーグレン症候群ほか)/人工透析ステロイド治療/免疫抑制剤の使用/白血病/HIV/性感染症(膣カンジダの感染)

関連するページ  口腔カンジダ症  口腔カンジダ症の治療  口腔カンジダ症 Q&A



●局所的要因

1)ドライマウス(口腔乾燥症)
唾液には、口の中をきれいにする作用、細菌の繁殖を抑える作用、口の中の粘膜を保護する作用があります。唾液が出ないとカンジダは繁殖しやすくなります。

唾液が出ない人ほど口腔カンジダ症を発症しやすく、特にシェーグレン症候群の患者さんは口腔カンジダ症を発症するリスクが高くなります。

水分補給

関連するページ  ドライマウス  シェーグレン症候群


2)入れ歯
入れ歯のプラスチック面はカンジダが繁殖しやすく、十分な入れ歯の手入れをおこなわないと口腔カンジダ症の原因となります。

入れ歯のプラスチック面の奥深くに入り込んだカンジダは、専門施設での除菌やカンジダに汚染されていない新しい入れ歯との交換が必要となります。

入れ歯の清掃

関連するページ  入れ歯  入れ歯のお手入れ方法  入れ歯洗浄剤


3)プラスチックでできた歯科材料
コンポジットレジン(プラスチックのつめ物)、仮歯、硬質レジン前装冠(プラスチックのさし歯)、矯正装置など、プラスチックでできた歯科材料は、カンジダ菌が繁殖しやすい傾向にあります。

さし歯をプラスチックからセラミックスに代えたり、矯正装置をプラスチックから金属に代えたら、口内のカンジダの菌数が減ったという研究報告もあります。

関連するページ  コンポジットレジン


4)抗生物質
抗生物質の服用により、今まで口の中にいた細菌がいなくなり、代わってカンジダが繁殖することがあります。

薬


5)ステロイド薬
喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)に使用するステロイド吸入薬や口内炎の治療で使用するステロイド軟膏は、免疫力を抑えるる作用もあります。ステロイド薬はカンジダに効力がないだけでなく、免疫力が抑えられたことによりカンジダが繁殖することがあります。

関連するページ  ステロイド療法をお受けになられている方の歯科治療  口内炎


6)口腔清掃不良
口の中が汚れていると、カンジダが繁殖しやすくなります。毎日の歯みがきをしっかりするのはもちろんのこと、歯科医院で定期的に歯の清掃(クリーニング)をおこうことが大切です。

歯磨き

関連するページ  歯のクリーニング  歯のクリーニングの効果  歯垢と歯石



●全身的要因

1)高齢者、新生児
体力や免疫力が低下している高齢者や乳幼児は発症しやすい傾向にあります。高齢者では、入れ歯の使用やドライマウスといった局所的要因も発症の要因に加わります。


2)HIV感染
口腔カンジダ症は、エイズウイルスに感染した人にとって最も発生率の高い日和見感染症です。エイズウイルスは「CD4リンパ球」と呼ばれる免疫の中心的役割を担当する細胞に感染して、壊してしまいます。CD4リンパ球が減少すると口腔カンジダ症を発症します。

関連するページ  性感染症と口腔


3)がん
放射線療法や抗がん剤の副作用により粘膜に炎症がおきると、口腔カンジダ症を発症しやすくなります。また、がん終末期の方の半数は、免疫力の低下などにより口腔カンジダ症を発症します。

関連するページ  がん治療


4)脳血管障害、糖尿病などの全身の病気
脳血管障害、糖尿病、腎臓病などの全身の病気によって介護を受けていたり、寝たきりの状態では、免疫機能は低下して口腔カンジダ症を発症しやすくなります。

関連するページ  糖尿病  慢性腎臓病



※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
  交通アクセス・駐車場案内図(横浜市都筑区、港北区など近隣よりご来院の方)
  青葉区・宮前区からのご来院(横浜市青葉区、川崎市宮前区からご来院の方)
  小田急線沿線からのご来院(東京都町田市、川崎市麻生区、多摩区などからご来院の方)
  横浜線沿線からのご来院(横浜市緑区、相模原市などからご来院の方)
  南武線沿線からのご来院(川崎市中原区、高津区などからご来院の方)
  広域路線図 広域道路地図(神奈川県、東京都からご来院の方)
  新幹線・飛行機でのご来院(神奈川県、東京都以外からご来院の方)




関連するページ  舌痛症   ドライマウス   シェーグレン症候群   味覚障害  訪問歯科


口腔カンジダ症の原因