慢性疼痛(慢性痛)とは

痛みには、急性疼痛(きゅうせいとうつう)と慢性疼痛(まんせいとうつう)の2種類があります。

急性疼痛(急性痛)は怪我や病気などが原因で一時的に生じる痛みで、身体を守るための反応です。原因となっている怪我や病気が治れば痛みもなくなります。

慢性疼痛(慢性痛)は治療をおこなっても治らない痛みや進行性の病気による痛みで、3ヶ月以上続く痛みをいいます。痛みには怪我や病気だけでなく、幼少期の生活環境(虐待、いじめ、母子分離)、家庭、職場、学校などのストレス、精神的な病気や障害、自身のおかれた環境、性格(完璧主義)などが複雑に関与、影響していることがしばしばあります。

慢性疼痛は約30年ぶりに改訂、2019年に世界保健機関(WHO)で承認、2022年に発効された「国際疾病分類(ICD−11、世界共通の病気の分類)」において、初めて分類が登録されました。

痛み(慢性疼痛)は、これまでは「症状」として考えられていましたが、「病気」として考えられるようになり、今後は慢性疼痛の研究が加速することが期待されています。

痛み

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●慢性疼痛の患者像

慢性疼痛は非常に多くの患者数がいるとされており、成人の22%、国内患者数は2215万人と推定されています。痛みの部位としては、腰、肩が最も多く、次いで膝、首・のど、背中、頭と続きます。また、痛みの期間では5年以上も痛みが続く人が約6割となっています。

肩こり

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●慢性疼痛が日常生活に与える影響

慢性疼痛によって支障があった行為は、仕事、家事、学校生活などいつもの活動(38%)、外出(29%)、集中すること(28%)などとなっており、日常生活に大きな影響を及ぼしています。

また、生存率の低下、自殺率の上昇、就業困難、経済的困窮、家族や友人との関係破綻、うつ状態などを引きおこすことがあります。治療費、痛みによる欠勤や休職、体調不良、労働生産性の低下などで、慢性疼痛の経済的損失は年間約2兆円にもなるとされています。

パソコン



手術後の慢性疼痛(遷延性術後痛 CPSP)

手術後に痛みが慢性化することはまれではなく、痛みのために治療を必要とすることも多くあります。手術後3ヶ月以上続く慢性疼痛を「遷延性術後痛」(せんえんせいじゅつごつう)といい、手術患者の10〜50%に発症し、2〜10%は日常生活に支障をきたすほどの痛みが生じるとされています

主な痛みは神経障害性疼痛で、ビリビリ、ひきつれたよう、絞られるような表現が多く、痛みに過敏に反応します。手術の内容、医師や歯科医師の技術に関係なく発現します。


主な手術後の慢性疼痛(術後遷延痛)の発現率
  発現率 重症の慢性疼痛
の発現率
神経障害性疼痛
が占める割合
歯科手術 5〜13%
乳房切除術 11〜57% 5〜10% 65%
開胸術 5〜65% 10% 45%
帝王切開 6〜55% 5〜10% 50%
※―:報告例なし

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歯、口の慢性疼痛

歯、歯肉、舌の慢性疼痛の原因としては下記の病気等があります。当クリニックでも治療をおこなっていますのでご相談ください。


長引く歯痛、歯肉の痛み/抜歯後インプラント手術後口腔灼熱症候群(舌の痛み)顎関節症三叉神経損傷三叉神経痛舌咽神経痛疲労した筋肉を原因とした歯痛(筋・筋膜性歯痛)/関節リウマチ/神経障害性疼痛(三叉神経ニューロパチー)線維筋痛症巨細胞性動脈炎帯状疱疹後神経痛/がん/外傷 ほか


当クリニックでは口腔顔面領域における慢性疼痛の治療をおこなっています。治療を希望される患者様におかれましては、お手数ですがお電話(045-910-2277)にてご予約ください。



※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
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