上顎洞炎(副鼻腔炎) 横浜・中川駅前歯科クリニック
上顎洞炎(副鼻腔炎)

上顎洞炎とは

鼻の横や上にある空洞を副鼻腔(ふくびくう)といい、副鼻腔は左右2対で合計8つあり、鼻とつながっています。

副鼻腔は目と目の間にある篩骨洞(しこつどう)、その奥にある蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)、鼻の上の頭にある前頭洞(ぜんとうどう)、鼻の横にある上顎洞(じょうがくどう)の4つがあります。

これらの副鼻腔に炎症があるものを副鼻腔炎、一般的には蓄膿症(ちくのうしょう)といいます。

上顎洞は副鼻腔の中では最も大きな空洞で、吸った空気の加湿や加温、骨の重さの軽量化などの役割があるとされています。副鼻腔の中では最も膿がたまりやすく、粘膜に炎症がおきやしやすい構造になっています。

上顎洞炎は副鼻腔炎の一つ上顎洞の粘膜に炎症がおきたり、穴があくことで発症し、上あごの奥歯や眼の痛み、歯の違和感、鼻づまり、鼻水、頭痛、顔面痛、味覚障害、悪臭などの症状があります。まれに眼窩内感染や髄膜炎、脳腫瘍の原因となることがあります。


正面 横 副鼻腔

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●上顎洞炎の患者数、年齢

上顎洞炎の患者数は多く、欧米では人口の5〜12%がかかっているとの報告もあります。

上顎洞は10歳代後半に完成するため20歳以下は少なく、20〜60歳代が多い傾向にあります。70歳以上では歯が失われていくため減少します。



●上顎洞炎の原因

上顎洞炎はアレルギー性鼻炎、風邪(細菌やウイルスによる感染)、上あごの奥歯の大きな虫歯や歯の根の先の膿(根尖病巣、歯根嚢胞)、歯周病、インプラント治療、抜歯、歯の外傷などによって発症します。

歯を原因とする上顎洞炎は1943年に初めて報告され、副鼻腔炎全体の10%程度を占めるとされてきましたが、最近では副鼻腔炎全体の7割が歯を原因とする上顎洞炎が占めるとの報告も多くなっています。

口内の衛生状況の改善によって、大きな虫歯が原因で上顎洞炎を発症する人は減少傾向にあります。一方で過去に歯の神経を取り(抜髄)、歯の根の治療をおこなった歯(根管病巣)やインプラント治療を原因とする上顎洞炎は増加傾向にあります。

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●上顎洞炎の診断

上顎洞炎の診断はレントゲン写真やCTの撮影、鼻咽腔ファイバースコープでの観察などでおこないます。

歯ぎしり



●上顎洞炎の治療

治療では抗生物質の服用、原因となっている歯の根の治療(根管治療、歯根端切除術)、歯周病治療がおこなわれます。慢性期では抗生物質(クラリスロマイシンなどのマクロライド系抗菌薬)の少量、長期間服用をおこないます。

歯の根の治療や歯周病治療によって改善させることは難しいことも多く、抜歯になることもあります。 この場合は原因となる歯の抜歯をおこない、抜歯した部位から上顎洞炎の洗浄をおこないます。

それでも改善しない場合は入院、内視鏡を使用して手術(内視鏡下副鼻腔手術)をおこない、上顎洞の換気と排泄ができるようにします。最近の研究報告では、歯を抜歯せずに手術のみをおこなう場合でも治療経過がよいことも報告されてきています。



上顎洞炎の治療をおこなう診療科

治療は症状に応じて歯科口腔外科耳鼻咽喉科頭頸部外科でおこないます。耳鼻咽喉科に受診したものの歯科を紹介されたり、歯科に受診したものの耳鼻咽喉科を紹介されることもあります。



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