摂食障害と歯科 Q&A

Q.摂食障害で歯が溶けると聞きますが、吐く時間は短いのに本当に溶けるものでしょうか?

A.歯はph5.5以下の酸で溶けます。胃酸はph1〜2の強酸で、吐いた後もしばらくは口の中に残ります。そのため、繰り返しの嘔吐は歯が溶ける原因になります。

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Q.過食嘔吐で歯がボロボロになるといわれていますが、どのくらいの期間、嘔吐でボロボロになるのでしょうか?

A.嘔吐の頻度、対策などにより、かなりの個人差があります。10年、20年と過食嘔吐があっても歯はほとんど影響を受けていない方もいますし、20歳前で歯がボロボロになっている方もいます。



Q.嘔吐をしても、すぐにうがいをすれば歯は大丈夫ですか?

A.うがいをすると、酸性になった口の中はある程度は中和されます。嘔吐後に何もしないよりかはいいのですが、残念ながら全く歯が溶けないわけではありません。

歯磨き 摂食障害があるときは、歯の手入れに気を付けます



Q.最近、前歯が薄く透明になってきた感じがします。過食嘔吐の影響でしょうか?

A.過食嘔吐によって歯が溶けたためと思われます。歯が溶ける病気「酸蝕症」の症状の一つです。 

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Q.過食嘔吐歴5年目ですが、歯肉が下がり歯と歯の間に隙間ができてきました。過食嘔吐で歯がボロボロになる人とならない人の違いは何ですか?

A.嘔吐の期間や回数、嘔吐時間(完吐きしているか)、嘔吐時にマウスピースを装着しているか、嘔吐後にうがいしているかなどによります。



Q.歯が欠けてしまいました。毎日嘔吐しているせいでしょうか?

A.ご指摘の通り、嘔吐の影響と思われます。歯が溶けて薄くなり、欠けてしまったものと思われます。



Q.過食嘔吐3年目の女子高生です。過食嘔吐で歯に穴が開くことはありますか?

A.あります。ご注意ください。

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Q.女性アスリートは摂食障害が多いと聞きました。

A.女性アスリートの摂食障害の発症率は非アスリートの2〜3倍とされています。

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Q.摂食障害であることを隠しています。歯科治療時に歯医者さんに気付かれてしまうことはありますか?

A.摂食障害の期間が短ければ気付くことはありませんが、摂食障害の期間が長いと口の中に様々な症状がらわれることがあるので気付く歯科医師もいます。

歯科治療 歯科治療は、無理でなければ早めにおこないます

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Q.歯科医院で摂食障害であることを聞かれることはありますか?

A.歯科医師によります。摂食障害に気付かない歯科医師も多くいますし、気付いたらお聞きする歯科医師もいます。気付いていてもお聞きしない歯科医師もいます。



Q.歯科医院で過食嘔吐の影響で歯がボロボロになったことを勇気を出して話したら、奇異な目で見られてショックを受けています。

A.残念ながら摂食障害を理解していない歯科医療従事者は多くいます。申し訳ありません。



Q.摂食障害であることを歯科医院で話したら、歯科大学病院での治療を勧められました。中川駅前歯科クリニックでは治療をおこなってもらうことはできますか?

A.残念ながら治療をお断りする歯科医院はあります。当クリニックでは治療をおこなっていますので、お気軽にご来院いただけたらと思います。



Q.30代女性です。長年の過食嘔吐が原因で歯がボロボロです。歯医者さんに行きたい気持ちはあるのですが、歯を見せる勇気がありません。

A.摂食障害は若い女性を中心に患者さんが多い病気です。当クリニックには摂食障害の方、過去に摂食障害だった方が多く来院されていますので、安心してご来院いただければと思います。

診療 摂食障害の方、摂食障害が治癒した方が多く来院されています



Q.治療はせず、相談だけに行っても構わないでしょうか?

A.相談だけでも構いません。当クリニックでよろしければお気軽にご来院いただければと思います。



Q.摂食障害の患者さんは珍しいですか?

A.当クリニックは摂食障害の方の歯科治療をおこなっていることもあり珍しくありません。月に5〜10人ほどの患者様が新患として来院し、再診や定期検診の患者様を含めますと、さらに多くの患者様が来院されています。



Q.摂食障害の患者さんに慣れた先生に診てもらうことはできますか?

A.できます。上記のご質問と同様に、このご質問もよくメールでお受けします。当クリニックの常勤歯科医師は全て摂食障害の患者さんをかなり診させていただいております。治療途中で担当歯科医師の変更も可能ですので、お気軽にお申し付けください。



Q.パニック障害と歯科恐怖症です。診察可能ですかか?

A.可能です。当クリニックでよろしければお気軽にご来院いただけたらと思います。

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Q.嘔吐はやめられないと思います。それでも歯科医院に通院してもよいのでしょうか?

A.お気軽にご来院ください。当クリニックに来院されている摂食障害の方の多くが、歯に対する不安を持っておられます。「摂食障害は治らなくても、歯は守りたい、治したい」とお考えの患者様が多くいます。



Q.耳のあたりがしばしば腫れます。治してもらえますか?

A.摂食障害があると唾液腺(耳下腺、顎下腺)がいつも刺激されてしまうことにより、耳やあごの下が腫れてしまうことがあります。摂食障害が改善しない限り改善が難しいのが実情です。

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Q.女子大生です。唾液腺がパンパンに腫れていると歯医者さんにカショオしていることがバレますか?

A.摂食障害について詳しくは知らない歯科医師が多いため、気付く歯科医師はほとんどいないと思います。



Q.夕食後の嘔吐がやめられません。嘔吐によって歯が溶けるのを防ぐ方法はありますか?

A.吐いたらすぐにうがいすること、可能であればフッ素洗口をおこなうのがよいでしょう。マウスピースを歯科医院で作製して、マウスピースを装着してから嘔吐をおこなうのも一つの方法です。

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Q.嘔吐時に使用するマウスピースは簡単に作れますか?

A.簡単に作れます。最初の来院時に歯型をとり、次の来院時にマウスピースをお渡しします。



Q.マウスピースにはどのような効果がありますか?

A.嘔吐時に歯に装着することにより強酸から歯を守ります。



Q.マウスピースは使用しない方がよいと言う医療従事者もいると聞きました。

A.マウスピースが摂食障害を助長するという意見も一部であります。ただ、摂食障害はすぐに治らないことが多く、当クリニックでは歯を守るためにマウスピースの使用をお勧めさせていただいてます。



Q.嘔吐用のマウスピースの費用はどのくらいですか?

A.当クリニックでは上下2つのマウスピースで3000円ほどとなります。



Q.インターネットで販売している歯ぎしり用のマウスピースは、嘔吐用のマウスピースの代わりになりますか?

A.代わりにはなりません。ご自身の歯、歯肉の形とピッタリ合っておらず、嘔吐時に酸が歯に入り込んでしまうため効果が得られません。



Q.高校生です。マウスピースを嘔吐時に使用しています。マウスピースが親にバレたらどうしようかとヒヤヒヤしています。

A.マウスピースは顎関節症や歯ぎしりの治療でも使用されています。これらの病気は高校生の有病率が高くマウスピースが治療に使用されます。歯科医療従事者でない限りはマウスピースの違いは分かりません。

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Q.太ってしまうことが怖く、食後は口に手を入れて吐いています。自分なりに考えて、吐いた後はイソジンでうがいをしているのですが、歯のケアには有効でしょうか?

A.イソジンはphが2〜2.5とコーラ並みの強い酸なので、嘔吐後のうがいには適しません。うがいをするのであれば、水やフッ素洗口がおすすめです。



Q.嘔吐はないものの、過食がやめられません。何か対策はありますか?

A.食後にうがいをしたり、キシリトールガムをかむなどして口内を中和すること、可能であれば酸性度の強い飲食物(炭酸ジュース、かんきつ類など)の過剰摂取は、避けるようにします。

オレンジ 柑橘類は酸性度が高く、歯が溶けやすいので注意します

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Q.食事は殆ど摂っていませんが、一日のほとんどをあめをなめたり、ガムをかんだりしています。歯に影響はありますか?

A.砂糖が入っていたり、かんきつ類系など酸性度の強いあめ、ガムは虫歯の原因になります。キシリトールガムなど虫歯にならないものに変更されることをお勧めします。

飴 できれば虫歯にならないガムを…



Q.チューイングは虫歯の原因になりますか?

A.チューイング(噛み吐き行為)は「だらだら食べ」につながり、胃酸ほどではないものの口内が長時間にわたって酸性になるため虫歯の原因になります。



Q.痩せたいという気持ちからダイエットを始めたのですが、ここ1年は毎日吐くようになりました。最近になって、冷たいものを飲食するとしみるようになりました。何か治療はあるのでしょうか?

A.歯がしみる病気「知覚過敏」になっていると思われます。嘔吐を止められればよいのですが、無理な場合は溶けてしまった歯につめ物をするなどして治していきます。

知覚過敏 上の前歯の内側(口蓋側)がしみやすくなります

関連するページ  知覚過敏症



Q.40代女性です。摂食障害になってから10年以上になります。歯はボロボロですが治してもらえるのでしょうか?

A.歯の状態にもよりますが、可能な限り歯を抜かず、できる限りの治療をさせていただきます。治療に関してご要望などがありましたら、些細なことでも構いませんので、お気軽にお申し付けください。



Q.10年間、カショオです。歯が黄ばんできたのですが、カショオでも歯のホワイトニングはできますか?

A.できます。お気軽にご相談ください。

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Q.20代女性です。過食嘔吐があるのですが矯正治療はできますか?

A.できます。ただし虫歯の発生には十分気を付けてください。

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Q.摂食障害は口臭の原因になりますか?

A.過食があると口内が汚れ、拒食があるとドライマウス(口腔乾燥症)になりやすく、これらは口内の細菌を繁殖させるため、口臭の原因になります。また、嘔吐は口内を酸性にするため、酸っぱい臭いがします。

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Q.拒食症とうつ病です。口臭が気になるのですが、胃からくるのでしょうか?

A.胃からの口臭よりも唾液の減少(ドライマウス)やストレスなどを原因とする口臭ではないかと思われます。

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Q.摂食障害は味覚障害の原因になりますか?

A.摂食障害により十分な栄養を摂ることができないと、味覚障害がおきることがあります。

味覚 亜鉛などのミネラルが不足すると味覚障害をおこします

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Q.高校生です。中学生のときに吐いて痩せたことがきっかけで、嘔吐がやめられません。歯はボロボロですが、親には打ち明けることができません。どうすればよいでしょうか?

A.保護者の方に打ち明けるのが一番よいのですが、無理であれば、まずはスクールカウンセラーもしくは保健の先生に相談されるのがよいかと思います。保護者の方には虫歯ができたと言って通院される方もいます。



Q.大学生ですが保険証は親の扶養です。歯科治療を受けたら摂食障害であることが親にバレますか?

A.医療費のお知らせがご自宅に届くので歯科医院に受診されたことは分かりますが、摂食障害の項目はないため親にバレることはありません。



Q.高校生です。毎日学校から帰ると嘔吐をしているせいで歯はボロボロ、入れ歯になりそうです。高校生でも入れ歯の人はいるのでしょうか?

A.高校生でも入れ歯を使用している人はいます。使用していても他人に気付かれないだけです。無理でなければ早めに受診してください。

学校 高校生でも入れ歯を使用している人はいます

関連するページ  入れ歯  ノンクラスプデンチャー



Q.歯科治療をしても、つめ物がすぐに外れます。治療が下手なのでしょうか?

A.摂食障害があると、銀歯などのつめ物周囲の歯質が酸によって溶かされていくため、つめ物が外れやすい傾向にあります。



Q.過食嘔吐があるにも関わらず、先生には話さずにインプラント手術を受けてしまいました。インプラントは大丈夫でしょうか?

A.口内を清潔にしていれば大丈夫と思われます。ご安心ください。

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Q.過食嘔吐を繰り返しています。歯が溶け続けていくのが嫌なので、また見た目が気になるので、セラミックス治療をしてもらうことはできますか?

A.可能ですが、セラミックス治療は高額の費用がかかること、他の治療に比べると歯を削る量が多くなること、酸で溶けた歯がさらになくなってしまうため、あまりお勧めできません。



Q.前歯がないので夏でもマスクをしています。改善方法はありますか?

A.入れ歯を作製されるのが良いかと思います。見た目には分かりにくい入れ歯(ノンクラスプデンチャー)もあります。お気軽にご相談ください。



Q.歯がないのでいつも丸飲みをしています。何か影響はありますか?

A.食べ物の消化、栄養の摂取に悪いだけでなく、窒息の恐れがあるため注意が必要となります。

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Q.過食した後に吐いてます。完吐きなので疲れ果てて寝てしまいます。

A.睡眠中ずっと口内が酸性の状態が続き歯が溶けてしまいます。うがいして、歯をみがいてから寝るのが理想ですが、どうしても無理な場合はうがいだけでもして寝てください。



Q.嘔吐した後はすぐに歯をみがいたほうがよいでしょうか?

A.嘔吐直後はうがいをすることによって口内を酸性から中性に戻し、20〜30分後に歯をみがくのがよいでしょう。



Q.地方に住んでいます。摂食障害に理解のある歯医者さんを紹介してもらうことはできますか

A.よくメールでいただくご質問ですが、どこの歯医者さんが詳しいかは分かりません。申し訳ありません。



Q.事前に相談することはできますか?

A.メール、電話(045-910-2277)にてご相談をお受けしています。メールでの相談で最も多いのが摂食障害の方からです。お気軽にご相談ください。

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