神経障害性疼痛 横浜・中川駅前歯科クリニック
神経障害性疼痛

神経障害性疼痛とは

「痛み」は、原因によって侵害受容性疼痛(しんがいじゅようせいとうつう)神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)痛覚変調性疼痛(つうかくへんちょうせいとうつう)の3つに分けられます。単独ではなく、複数の痛みが関与していることもあります。

神経障害性疼痛は何らかの原因によって神経が障害を受け、それによっておきる痛みのことをいいます。切り傷、打撲、骨折など、炎症や刺激による痛み(侵害受容性疼痛)とは異なり、長期にわたって痛みが続く傾向があります。

痛みは長い間、炎症や刺激による痛み「侵害受容性疼痛」のみが痛みの原因として考えられていましたが、1994年に神経障害性疼痛、2017年に痛覚変調性疼痛(日本語訳は2021年)が痛みの一つとして定義されました。

日本では2010年代になって神経障害性疼痛の治療に使用できる薬が増え、治療に関するガイドラインができるなど、治療が進歩しました。40歳以上に多く、国内には600万人以上の患者さんがいると推定されています。


痛みの分類

※2021年10月
2021年9月にNociplatic painは「痛覚変調性疼痛」という訳語にすることが、日本痛み関連学会連合(日本口腔顔面痛学会、日本疼痛学会、日本慢性疼痛学会、日本ペインクリニック学会ほか)により確定しました。


※2021年2月
2017年に国際疼痛学会により侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛に加えて、第3の痛みとしてNociplatic pain(ノシプラスティックペイン)が定義されました。Nociplatic painは「侵害可塑性疼痛」と訳されますが、正式な日本語名はまだ決まっていません。

※2018年4月
神経障害性疼痛における精密触覚検査(SWテスト)は、2018年に健康保険適応になりました。当クリニックは神奈川県の医療機関では最初に認可を得て、治療をおこなっています(受理番号:(精密触覚)第1号)。お気軽にお問い合わせください。


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神経障害性疼痛の原因

神経障害性疼痛の原因になることがある病気としては、三叉神経痛(さんさしんけいつう)、帯状疱疹(たいじょうほうしん)後の痛み、糖尿病の合併症に伴う痛み、脊髄損傷による痛みなどがあります。

開胸手術、歯の根の治療、親知らずの抜歯、インプラント手術などの治療後から神経障害性疼痛がおきることもあります。


神経障害性疼痛の原因
三叉神経痛舌咽神経痛帯状疱疹梅毒/悪性腫瘍/脳腫瘍/放射線治療後/抗がん剤/腰痛/シェーグレン症候群/脳卒中/パーキンソン病糖尿病/脊髄損傷/腰痛/AIDS/ビタミンBの不足/飲酒/医原性(医療事故)


神経障害性疼痛 テレビCMも放送されています

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神経障害性疼痛の症状

痛みの症状は様々ですが、うずくような、灼(や)けるような、むずがゆい、しびれたような、ビーンと走るような痛みが生じます。また、数ヶ月から数年にわたり長期間痛みが続くほか、痛み対して過敏になり、通常であれば問題のない刺激も、痛みとして感じることがあります(アロディニア)。

また、痛み以外にも睡眠障害(不眠など)、活力の低下、抑うつ、ドライマウス(口腔乾燥症)、食欲不振などを伴うことがあります。これは、痛みがおきるような日常生活を避け、過度に安静を保つようになった結果としておきると考えられています。


神経障害性疼痛の症状
長引く痛み痛み/少しの刺激でも痛みとして感じる/キリキリした痛み/ビリビリした痛み/ジンジンした痛み/ヒリヒリした痛み/やけるような痛み/しびれた感じ/チクチクした痛み/電気が走ったような痛み ほか

ドライマウス 神経障害性疼痛が続くとドライマウス、食欲不振がおきることがあります

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神経障害性疼痛の治療で使用される薬

神経障害性疼痛の治療は、薬の服用が中心となります。治療は痛みを和らげるための薬の服用が中心となり、リリカ、サインバルタ、トリプタノールなどの薬が使用されます。

鎮痛薬として有名なロキソニンやボルタレンでは、効果が得られないことがほとんどです。痛みが強いときは、オピオイド鎮痛薬(医療用麻薬)が使用されることもあります。

治療は長期間かかることが多く、短期間にすぐに治療結果を求めるのではなく、あせらず長い目で根気よく治療を続けていくことが大切です。薬の服用以外では、神経ブロック療法やリハビリテーションなどの機能訓練がおこなわれます。


神経障害性疼痛の治療で使用される薬(カッコ内は商品名)


【第1選択薬】
プレガバリン(リリカ)/ミロガバリン(タリージェ)/ガバペンチン(ガバペン)/デュロキセチン(サインバルタ)/イミプラミン(トフラニール)/アミトリプチリン(トリプタノール)/ノリトリプチン(ノリトレン)

【第2選択薬】
ワクシニアウイルス接種兎炎症皮膚抽出液(ノイロトロピン)/トラマドール(トラマール、トラムセット)

【第3選択薬】
オピオイド鎮痛薬(モルヒネほか)


※新薬について

新たな治療薬として、タリージェ(ミロガバペンシル塩酸)が厚生労働省に認可され、2019年4月に保険適応されました。当クリニックでも2019年4月より取り扱いをおこなっています。

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痛覚変調性疼痛とは

侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛に次ぐ第3の痛みとして2017年に痛覚変調性疼痛が世界で定義され、2021年に日本語訳が決まりました。侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛でない痛みが痛覚変調性疼痛になります。まだ不明な点が多いものの、今後の研究により解明が進むことが期待されています。


痛覚変調性疼痛の特徴
長引く痛み全身の痛み(線維筋痛症、慢性疲労症候群)/複数の身体症状(疲労、記憶力低下、不眠、うつ)/痛みの部位が変化/におい、音、温度、光、触覚などの刺激に過敏/局所麻酔が効きにくい



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