高齢者の睡眠時無呼吸症候群 横浜・中川駅前歯科クリニック
高齢者の睡眠時無呼吸症候群
高齢者の睡眠時無呼吸症候群の頻度

高齢者の睡眠時無呼吸症候群の発症率は、65歳以下の成人と比較すると高くなっています。

高齢者の2〜3割が睡眠時無呼吸症候群という報告もありますが、ほとんどの高齢者は無症状なため、治療を受けている人はごく僅かに留まっています。

健康な女性 高齢になると、睡眠中の無呼吸がおきやすくなります



●高齢者の睡眠時無呼吸症候群の症状

高齢者の睡眠時無呼吸症候群は、いびき、
無呼吸、日中の眠気などに加えて、夜間の頻尿、失禁、認知症、抑うつ、ドライマウス(口腔乾燥症)といった症状があらわれることがあるのが特徴です。日中の眠気のために転倒、骨折をして、寝たきりになることもあります。

睡眠時無呼吸症候群の重症度に応じて認知機能が低下することが報告されています。大規模な調査では未治療の睡眠時無呼吸症候群の患者さんは認知症を発症するリスクが26%高くなり、注意能力、記憶、認識能力に影響を及ぼすことが明らかにされています。

その他に、睡眠時無呼吸症候群は
心筋梗塞、不整脈、心不全などをおこしやすいとされています。


高齢者の睡眠時無呼吸症候群の症状
いびき/無呼吸/低呼吸/日中の眠気/活動性の低下/夜間頻尿/尿失禁/抑うつ/夜間の窒息感/認知機能障害(認知症)/ドライマウス(口腔乾燥症)/早朝の頭痛


高齢者の睡眠時無呼吸症候群の合併症
心筋梗塞/不整脈/心不全/高血圧/脳卒中/認知症/記憶障害/糖尿病/交通事故

あくび 症状の一つとして、日中に眠気が生じることがあります

関連するページ  ドライマウス(口腔乾燥症)  糖尿病  認知症



高齢者の睡眠の問題と対策

高齢者の睡眠の問題として下記があります。これらを改善していくことも、良い睡眠の確保につながります。


1)睡眠全般
昔よく言われていた「適切な睡眠時間は8時間」は現在では否定されており、必要な睡眠時間は個人差があります。高齢者は若い頃よりも睡眠は浅く、睡眠時間は大幅に短くなります。睡眠中に目覚めることはよくあり、これらを受け入れていくことも必要です。

関連するページ   適正な睡眠時間


2)就寝時間、起床時間
寝る時間、起きる時間が早すぎる傾向があります。寝る時間が早すぎるために、「眠れない」として睡眠薬を服用する人も多くいます。少々の遅寝も必要です。

関連するページ  ぐっすり眠る9つの方法  免疫力を高める睡眠方法


3)睡眠薬
日本は他の先進国に比べて高齢者の睡眠薬の服用が非常に多く、睡眠薬は睡眠時無呼吸症候群の症状を悪化させます。多くの睡眠薬は依存性があり、服用を続けると「睡眠薬がないと眠れない」状態となるほか、認知症の発現、症状悪化に関与しているとされている睡眠薬もあります。睡眠薬なしでの生活を送るようにしていくことが大切です。


4)生活環境
屋内に一日中いる高齢者も多く、睡眠の質の向上のためには日光を浴びることも大切です。適度な温度、湿度などの睡眠環境を整えるほか、昼寝は午後の早い時間の短時間で済ませるようにします。

高齢者に多い睡眠に悪い習慣
目覚めてもだらだら寝床で過ごす/睡眠薬がないと眠れないと思い込む/外出せずに家でゴロゴロ過ごす/することや楽しみがなく、時間をもてあます/時間つぶしにテレビを見ている/運動はほとんどしない/足が悪い、腰が痛いといったことを運動不足の言い訳にする/家族以外との交流が少ない/寝床でテレビを見る/寝床に入ると心配事を考えてしまう



オーラルフレイル(口腔機能低下症)

口の機能が低下した状態のことをオーラルフレイルといいます。オーラルフレイルは睡眠時無呼吸症候群と関連があり、かむ能力や舌の機能の低下は睡眠時無呼吸症候群を発症させたり、症状を悪化させることが、研究により明らかにされています。

高齢者は虫歯や歯周病などで歯を失ったり、ドライマウス(口腔乾燥症)などで、口の機能が低下しやすい傾向にあります。虫歯や歯周病の予防や治療、入れ歯の作製などをおこなうことにより口の機能を維持していくことが、睡眠時無呼吸症候群の予防につながります。

関連するページ  オーラルフレイルと口腔機能低下症  オーラルフレイル Q&A



高齢者の睡眠時無呼吸症候群の治療法

一般成人と同じく、CPAP(持続的陽圧呼吸装置)、スリープスプリント(マウスピース)などを使用して治療をおこないます。

ただし、高齢になるにつれて歯の本数が少なくなったり、歯周病が進行してしまうため、スリープスプリントによる治療が困難なこともあります。酸素療法、人工呼吸器を使用した換気法(NPPV、ASV)が有効なこともあります。

高齢者は何らかの薬を服用していることが多く、睡眠薬や向精神薬など薬の服用は、睡眠時無呼吸症候群の症状を悪化させるため、必要以上の薬の服用は避ける必要があります。また、昼間の活動量が少なかったり、長時間の居眠りが不眠と睡眠時無呼吸症候群の症状を悪化させる要因となるため、生活習慣の改善が必要となることもあります。

関連するページ  CPAPについて  スリープスプリント



※スリープスプリントは、問題がなければ2〜3回のご来院で簡単に作製できます。また、手術や持ち運びの不便な大きな器具は必要ありません。ほとんどの方にいびきの改善がみられます。お気軽にご相談ください。

※いびき治療の受診をご希望の方は、お手数ですが事前にご予約ください。


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