●歯ぎしりの治療
歯ぎしりの治療(食いしばりも含む)にはセルフケアのほか、マウスピースの装着、注射による治療(ボツリヌス療法)、歯ぎしり防止装置(グラインドケア)の使用など薬など様々な方法があります。一つの治療だけでなく、複数の治療を取り入れていかれることがおすすめです。

1980年代頃までは「睡眠中の歯ぎしりはかみ合わせが原因でおこる」と考えられ、かみ合わせの調整が頻繁におこなわれていましたが、現在では歯ぎしりとかみ合わせは関係ないという意見が多くなり、否定されつつあります。

2005年に定められた睡眠障害国際分類第2版(ICSD2)により、現在では歯ぎしりは睡眠に関連する病気として捉えられ、睡眠医学からの研究、治療が盛んにおこなわれています。


歯ぎしり治療の効果と普及度
治療方法 効果 普及度 特徴
ナイトガード 最も普及。歯ぎしりや食いしばりを減らす効果は乏しいものの、歯、歯肉、あごの負担を減らす効果がある。
スリープスプリント いびき治療に使用され歯ぎしりができなくなるが、ナイトガードよりも違和感がある。
かみ合わせの治療 × 削った歯は戻らないのでなるべく避けるべき治療。効果に否定的な意見が多い。
矯正治療 × × 治療費が高額で治療期間も長く、効果に否定的な意見が多い。
セルフケア 費用がかからない。
ナイオフィードバック × 装置が2021年に日本販売開始、歯ぎしりの回数を50%以上減らすこともできる。
ボツリヌス療法 × 少しづつ日本でも普及しつつある。歯ぎしり防止効果は非常に高い。
効果のある治療、普及している治療から「◎、○、△、×」で記載。赤字リンクは当クリニックでおこなっている治療です。

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●ナイトガード(歯ぎしり防止装置)  最も多く用いられる治療 当クリニックで実施
ナイトガードとは、寝ている間に装着するマウスピースです。マウスピース、マウスガード、スプリント、バイトプレートなどとも呼ばれています。歯ぎしりの代表的な治療方法です。寝ている間の歯ぎしりや食いしばりを防ぐ効果は乏しいものの、歯、歯肉、あごにかかる負担を減らす効果があります。

いびきや睡眠時無呼吸症候群の患者さんが使用すると、いびきが悪化したり、睡眠中の呼吸停止、呼吸低下の回数が増加することがあるので注意が必要です。この場合は、歯ぎしり防止効果のあるスリープスプリント(いびき防止装置)を使用すると改善が期待できます。


ナイトガードの効果
歯が削れたり(摩耗)、割れるのを防ぐ/歯がしみる(知覚過敏症)のを防ぐ/寝ている間の騒音(歯ぎしり音)を防ぐ/周囲で寝ている人に迷惑がかからなくなる/あごの負担が減る/歯周病の進行を防ぐ/つめ物が壊れるのを防ぐ

歯ぎしり防止装置 ナイトガード

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ナイトガード(歯ぎしり防止装置)の治療の流れ

1回目のご来院
お口の中を診させていただきます。大きな虫歯があるなどの問題がなければ、歯の型をとります。

2回目のご来院へ

2回目のご来院
調整した後にお渡しします。

※ナイトガードを使用することにより、睡眠中の歯ぎしりが緩和されます。
※友人とのご旅行、寮生活、合宿や研修の際に使用することもできます。

※2回の通院で作製、お渡しできます(健康保険適応)。費用は3割負担の方で3000円ほどです。

関連するページ  ナイトガード(歯ぎしり防止装置)の取り扱い方法



●かみ合わせの治療、矯正治療  可能であれば避けるべき治療
すり減った歯やバランスの崩れたかみ合わせを整えたり、元に戻していきます。また、かみ合わせに問題のあるつめ物があるときは、調整もしくは交換をおこないます。時には、矯正治療によって歯ぎしりを治していきます。

1980年代頃までは、かみ合わせの調整や矯正治療によって歯ぎしりを治す治療が盛んにおこなわれていましたが、最近では研究により歯ぎしりとかみ合わせとの関連は低いとされおこなわれなくなってきています。

× 歯ぎしりを治すための「かみ合わせ治療」は避けた方がよいでしょう

関連するページ  歯ぎしりとかみ合わせ  矯正歯科・歯並び



セルフケア(歯ぎしり予防) 当クリニックで実施(ご説明)
歯ぎしりの治療は歯科医院でおこなう治療のほか、自分でできることもあります。セルフケアとしては、かみしめないように意識する(自己暗示療法)、リラクゼーション、ストレス管理、睡眠の質を高める、睡眠習慣の改善などの方法があります。

睡眠 よい睡眠環境で寝ると、歯ぎしりが軽減するという研究報告もあります

関連するページ  歯ぎしりのセルフケア(歯軋り予防)  ぐっすり眠る12の方法



●バイオフィードバック療法 当クリニックで実施、歯ぎしり防止効果がかなり高い
小さなセンサーが睡眠中の筋肉の活動を監視。歯ぎしりをする直前にセンサーが微弱な電気刺激を筋肉に与えることにより、歯ぎしりを50%以上も減らすこともできます。グラインドケアという商品名で2021年9月に日本で販売が開始されました。

Grindcare グラインドケア(Grindcare)

関連するページ  グラインドケア



●ボツリヌス療法 当クリニックで実施、歯ぎしり防止効果は非常に高い
アメリカを中心におこなわれている治療方法です。ボツリヌス菌がつくりだすタンパク質をあごの筋肉に注射することで歯ぎしりをなくす方法です。薬剤名からボトックス治療ともいいます。

1回の注射で効果が3〜6ヶ月ほど続き、健康保険外であるものの、非常に高い歯ぎしり防止効果が期待できます。ボツリヌス療法はしわ取り、エラ取りの治療として美容外科で広く使用されています。

ボトックス ボトックス

関連するページ  ボツリヌス療法  ボツリヌス療法 Q&A



●薬物療法 当クリニックを含め日本では殆どおこなわれていません
一部の筋弛緩薬、降圧剤などの薬は、睡眠中の歯ぎしりを減少させる効果があるとされています。ただし、薬の種類によっては副作用(眠気、ふらつきなど)が強かったり、いびきや睡眠時無呼吸症候群の症状を悪化させることもあるので、使用にあたっては十分な注意が必要となります。


睡眠時の歯ぎしり予防に効果があるとされる主な薬
筋弛緩薬 かみ合わせに関係する筋肉の働きを弱めるとされています。
ドーパミン系薬物
(レボドパ、L-ドーパ)
パーキンソン病の治療に使用される薬。睡眠中の歯ぎしりが30%程度減少したとの研究報告もあります。
降圧剤(αアゴニスト)
クロニジン(商品名:カタプレス)の服用により、睡眠中の歯ぎしりが60%程度減少したとの研究報告があります。ただし、血圧を下げる薬のため、使用にあたっては低血圧に注意する必要があります。
制酸剤 胃酸の逆流(胃食道逆流症)が歯ぎしりを誘発させるため、このような症状のある人にはプロトンポンプ阻害剤(PPI、商品名:タケプロンほか)効果があるとされています。

薬 薬の服用による歯ぎしり改善はまだ研究途上です



漢方薬
一般的な歯科治療ではないものの、加味逍遥散(かみしょうようさん)、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)、抑肝散(よくかんさん)、六味地黄丸(ろくみじおうがん)などの漢方薬が使用され、効果をあげています。



●他の病気の治療
睡眠時無呼吸症候群、不眠症、胃食道逆流症(逆流性食道炎)などの病気は、睡眠中の歯ぎしりとの関連が指摘されています。

また、うつ病の治療薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI、商品名:パキシルほか)、抗精神薬、制吐剤、中枢神経刺激薬(メチルフェニデート、商品名:リタリンほか)などの薬は、睡眠中の歯ぎしりの原因となることがあります。これらの病気を治すことは歯ぎしりの予防に役立ちます。

逆流性食道炎 逆流性食道炎の患者さんは、歯ぎしりをする傾向にあります

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