舌痛症 横浜・中川駅前歯科クリニック

舌痛症とは

舌痛症(ぜっつうしょう)とは、舌に悪性腫瘍や貧血などの異常が認められないものの、舌の痛みや違和感を感じる病気をいいます。患者数は非常に多く、日本歯科医師会のホームページによると、全人口の0.7~3%に発症し、特に閉経後の女性における有病率は12~18%とのことです。

性別では女性が7~8割を占め、年齢は50歳代から70歳代が多く真面目で几帳面な性格の人が多い傾向にあります。ドライマウス(口腔乾燥症)、味覚異常をあわせてもつ人が多くみられます。

受診者の概要※1
医療機関 受診者の概要
北海道大学病院 口腔カンジダ症の患者109人のうち、48%が舌痛症、14%が味覚異常、11%がドライマウスを主訴として来院していた。
日本大学松戸
歯学部付属病院
舌痛を主訴として来院した患者136人のうち87%が女性。60歳代が最も多く、次いで70歳代、50歳代が多かった。
名古屋市立大学病院 舌痛を主訴として来院した患者975人のうち79%が女性。60歳代が最も多く、50~70歳代が75%を占めていた。
兵庫医科大学病院 舌痛を主訴として来院した患者56人のうち57%が原因不明、服用している薬が原因のものが11%であった。55%がドライマウスの症状をもっていた。
福岡歯科大学
医科歯科総合病院
舌痛症と診断された患者180人のうち78%が女性。平均年齢は59歳で男性は70歳代、女性は60歳代が最も多かった。
舌の先端の痛みが最も多く39%、舌の側縁の痛みがが次いで多く32%であった。25%がドライマウス、10%が味覚障害の症状をもっていた。
徳島大学病院 舌痛を主訴に来院した患者27人のうち女性は85%、平均年齢は54歳、痛みが出てから受診までの期間は13ヶ月であった。62%が睡眠障害(不眠症など)があり、睡眠の質が悪さも舌痛症に関与していると考えられた。
広島大学病院 ドライマウス外来受診者の47%がドライマウス、17%が舌の痛み、11%が味覚障害を主訴として来院した。
中川駅前歯科
舌痛を主訴として来院した患者様3000人のうち80%が女性。50歳代が最も多く、次いで60歳代、40歳代が多かった。
舌の先端、舌全体の痛みが最も多く各36%であった。39%がドライマウスの症状をもっていた 。(治療データ
※北海道大学病院口腔内科(2008年8月~2009年7月) ※日本大学松戸歯学部付属病院「口・顔・頭の痛み外来」(2006年4月~2007年3月) ※兵庫医科大学病院耳鼻咽喉科味覚外来(1999年5月~2003年4月) ※名古屋市立大学病院口腔外科(1986年~2006年) ※福岡歯科大学医科歯科総合病院口腔外科(2004年6月~2006年10月) ※徳島大学病院(2012年6月~2015年12月)  ※広島大学病院口腔検査センタードライマウス外来(2006年4月~2009年3月)

歯肉、頬の粘膜、口蓋(口の天井)の痛みや違和感は、口腔灼熱症候群(バーニングマウス症候群)といいます。症状、治療方法は舌痛症と同じです。

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舌の痛みの原因

舌の痛みには、ドライマウス(口腔乾燥症)、口内炎、口腔カンジダ症、とがった歯やつめ物、入れ歯のバネ、舌がん、亜鉛の不足など様々な原因があります。


口の中を原因とする舌の痛み
ドライマウス(口腔乾燥症)/口の中の汚れ/顎関節症の関連痛/入れ歯舌炎(地図状舌、溝状舌、天疱瘡など)/口内炎扁平苔癬口腔カンジダ症歯科金属アレルギーレジンアレルギーガルバニー電流/かみ合わせの変化/歯列不正/銀歯、さし歯などのつめ物/咬傷/熱傷/TCH(歯列接触癖)

水分補給 ドライマウス、口内の汚れなどが、舌の痛みの原因であることもあります


全身の病気を原因とする舌の痛み
悪性腫瘍(舌がんなど)糖尿病(口腔乾燥症)/神経痛(三叉神経痛舌咽神経痛)/うつ病/ウイルス感染/結核/貧血(鉄欠乏性、悪性)/ベーチェット病梅毒シェ―グレン症候群(口腔乾燥症)胃食道逆流症(逆流性食道炎)認知症


その他の原因とする舌の痛み
薬の副作用/刺激物(アルコール、香辛料)の摂取/亜鉛や鉄の不足/加齢

キムチ 食事のときは痛みが和らぐ人もいます


舌痛症の発症機序発症機序



自覚症状

自覚症状は舌の先端や側縁に多く、ヒリヒリ、ピリピリ、ザラザラなど感じます。


主な自覚症状
ヒリヒリ感/ピリピリ感/ザラザラ感/チクチク感/しみる/痛い/しびれ感/触ると痛い(接触痛)/違和感/熱を帯びている(灼熱感) ほか

舌 主に舌の先端や側縁に症状が出ます



症状

症状は患者さんによって異なるものの、主な舌の症状としては下記があります。中には、激痛で食事もできない、話すこともできないという状態で来院される方もいます。


主な症状
午前中は舌の状態が比較的よいものの、昼過ぎあるいは夕方から悪化する。

食事のときは痛みがない、あるいは痛みが軽くなる。

歯科治療中、あるいは歯科治療直後に発症することがある。

軟膏を舌に塗ったり、痛み止めの薬を服用しても治らない。

不眠、肩こり、頭痛、倦怠感など、自律神経症状を伴うことがある。

ドライマウス(口腔乾燥症)、味覚障害を伴うことが多い。

関連するページ  治療データ(舌痛症)



治療

舌痛症の治療は、ごく一部の歯科、口腔外科、内科、心療内科、耳鼻咽喉科などの医療機関でおこなわれています。対応できる医療機関が少なく、またすぐには治らないこともあるため、あちこちの医療機関を受診する患者さんが多い傾向にあります。

歯石の除去、入れ歯の調整、虫歯やドライマウス(口腔乾燥症)、口腔カンジダ症の治療、マウスピース(プロテクター)の作製などをおこないます。漢方薬、抗うつ薬、亜鉛の服用、神経ブロックが効果的なこともあります。

短期間にすぐに結果を求めるのではなく、かかりつけの歯科医師、医師と相談しながら、あせらず長い目で根気よく治療を続けていくことが大切です。

診察 お気軽にご相談ください

関連するページ  舌痛症の治療  舌痛症の治療に使用される漢方薬



※舌痛症の治療を目的として来院される患者様へ
診療時間を十分に確保して診させていただくため、お手数ですがご来院前に電話(電話番号:045-910-2277)にてご予約ください。



※1 山崎裕、村田翼、佐藤淳、大内学、秦浩信、北川善政 舌痛症、口腔カンジダ症、味覚異常における臨床検査 日本口腔検査学会誌 3(1)3-8 2011  西村均、牧山康秀ほか 日本大学松戸歯学部付属病院「口・顔・頭の痛み外来」における統計的観察 日大口腔科学 36(2)115-119 2010.  北川雅恵、新谷智章、小川郁子、栗原英見 ドライマウスの臨床統計的検討 : 広島大学病院ドライマウス外来の診療日本口腔検査学会雑誌2(1)69-73 2010  大西和歌、根来篤、梅本匡則、任智美、阪上雅史 当科における舌痛症臨床像の検討 口腔・咽頭科16(1)133  田中昭彦、多田剛之、和田孝介、池邉哲郎、大関悟 当科における舌痛症の臨床的検討 福岡歯科大学学会雑誌 33(1)60-60 2007  横井基夫 舌痛症に対する治療の現状と問題点(特別講演IV,第58回名古屋市立大学医学会総会) Nagoya medical journal 49(3)235-240 2008  安陪晋 一次性および二次性舌痛症患者における睡眠障害の検討 日本口腔顔面痛学会誌10(1)9-16



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