●ジスキネジアとは
ジスキネジアとは、自分の意思とは関係なく身体の一部が動いてしまうことを、まとめた呼び名です。決して珍しい症状ではなく、パーキンソン病治療薬の長期服用患者の40%、抗精神薬服用者の30%にジスキネジアあらわれたとの研究報告もあります。
原因の一つは薬の副作用で、パーキンソン病治療薬、向精神薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、胃腸薬の長期服用、薬が効きすぎることによっておきると考えられています。ゆっくりあるいは遅れて発症することから、これを「遅発性ジスキネジア」といいます。
原因となる薬には、スルピリド(商品名:ドグマチールほか)、カルバマゼピン(同:テグレトールほか)などがあります。(下図)
そのほかに老化やパーキンソン病、ハンチントン病、脳梗塞などの病気を原因としておきることがあります。
パーキンソン病治療薬 |
レボドパ、セレギリン ほか |
抗精神薬 |
クロルプロマジン、ハロペリドール、スルピリド、オランザピン、リスペリドン ほか |
抗うつ薬 |
アモキサピン、ミルナシプランン ほか |
消化管機能改善薬 |
メトクロブラミド、スルピリド ほか |
抗てんかん薬 |
カルバマゼピン、フェニトイン ほか |
当クリニックには歯科医師、薬剤師が在籍しています。ジスキネジアについてご不明な点等がありましたら、お気軽にご相談ください。
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●ジスキネジアの症状
ジスキネジアは口をもぐもぐさせる、舌を前に出すなど口周辺の症状が多いものの、手足などにも症状があらわれることがあります。年齢が低い人ほど症状が全身に広がりやすく、緊張しているときに症状が強くあわられ、睡眠中は症状があらわれない傾向にあります。
軽い症状の場合は本人が気付いていないこともあるため、家族など身近な人が気付いて、かかりつけの医師や歯科医師に相談、必要に応じて治療をおこなうことも重要となります。
口周辺の症状
舌を前に出す/舌打ち/舌を左右に動かす/口を突き出す/口をもぐもぐさせる/歯を食いしばる/唇がふるえる/顔をしかめる
手足などにおきる症状
勝手に手が動いてしまう/手に力が入って抜けない/足が動いてしまって歩きにくい/足が突っ張って歩きにくい
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●ジスキネジアの問題点
ジスキネジアによって舌や頬をかむ、舌がこすれて痛む、あごが痛んだり外れる(顎関節症)、入れ歯が合わない、食べにくい、飲み込みにくい、発音がしにくい、入れ歯が合わないなどの症状があらわれます。
十分な栄養摂取ができずに体重が減少したり(オーラルフレイル)、人目を気にして社会へ参加を控え、孤立、引きこもり、失業、うつ病の原因となることもあります。
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●ジスキネジアの治療
原因となっている薬の量を減らしたり、1回の服用量を減らして回数を増やす、薬の種類を変更するなどの対応がおこなわれます。
歯科ではマウスピースを作製したり、傷つきにくい入れ歯の作製、とがっている歯を丸めるなどして、舌や頬の外傷を軽減していきます。
※当クリニックへのアクセスについては、下記のページをご覧ください。
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