ジスキネジア(舌や口が勝手に動いてしまう症状) 横浜・中川駅前歯科クリニック
ジスキネジア(舌や口が勝手に動いてしまう症状)

ジスキネジアとは

ジスキネジアとは、自分の意思とは関係なく身体の一部が動いてしまうことをまとめた呼び名です。決して珍しい症状ではなく、パーキンソン病治療薬の長期服用患者の40%抗精神薬服用者の30%にジスキネジアあらわれたとの研究報告もあります。

原因の一つは薬の副作用で、パーキンソン病治療薬、向精神薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、胃腸薬の長期服用、薬が効きすぎることによっておきると考えられています。ゆっくりあるいは遅れて発症することから、これを「遅発性ジスキネジア」といいます。

原因となる薬にはスルピリド(商品名:ドグマチールほか)、カルバマゼピン(同:テグレトールほか)などがあります。(下図)。そのほかに老化やパーキンソン病、ハンチントン病、脳梗塞などの病気を原因としておきることがあります。


ジスキネジアがおきやすい人
最近(特に飲み始めてから2~3ヶ月後)抗精神薬の服用を始めた/長期間(数年~数十年)抗精神薬などを服用している/これらに加えて高齢者、女性、糖尿病、気分障害、てんかん、頭部外傷の経験がある


ジスキネジアをおこすことがある主な薬
パーキンソン病治療薬(レボドパ、セレギリン)/抗精神薬(クロルプロマジン、ハロペリドール、スルピリド、オランザピン、リスペリドン)/抗うつ薬(アモキサピン、ミルナシプランン)/消化管機能改善薬(メトクロブラミド、スルピリド)/抗てんかん薬(カルバマゼピン、フェニトイン)

薬

当クリニックには歯科医師、薬剤師が在籍しています。ジスキネジアについてご不明な点等がありましたら、お気軽にご相談ください(服薬相談)。

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ジスキネジアの症状

ジスキネジアは口をもぐもぐさせる、舌を前に出すなど口周辺の症状が多いものの、手足などにも症状があらわれることがあります。年齢が低い人ほど症状が全身に広がりやすく、緊張しているときに症状が強くあわられ、睡眠中は症状があらわれない傾向にあります。

軽い症状の場合は本人が気付いていないこともあるため、家族など身近な人が気付いて、かかりつけの医師や歯科医師に相談、必要に応じて治療をおこなうことも重要となります。


口周辺の症状
舌を前に出す/舌打ち/舌を左右に動かす/口を突き出す/口をもぐもぐさせる/口から音が出る/話しにくい/歯を食いしばる/唇がふるえる/顔をしかめる/食べ物がかみにくい/食べ物が飲みこみにくい/無意識の動きによって口内が痛い


手足などの症状
勝手に手が動いてしまう/手に力が入って抜けない/物(歯ブラシ、鉛筆、箸、スプーン)がつかみにくい/字が書きにくい/携帯電話で文字を打ちにくい/足が動いてしまって歩きにくい/足が突っ張って歩きにくい

診察

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ジスキネジアの問題点

ジスキネジアによって舌や頬をかむ、舌がこすれて痛む、あごが痛んだり外れる(顎関節症)、入れ歯が合わない、食べにくい、飲み込みにくい、発音がしにくい、入れ歯が合わないなどの症状があらわれます。

十分な栄養摂取ができずに体重が減少したり(オーラルフレイル)、人目を気にして社会へ参加を控え、孤立、引きこもり、失業、うつ病の原因となることもあります。


ジスキネジアがある人の主な困りごと
自分自身が気になってしかがたない/家族や友人から止めるように注意を受ける/公共の場所(学校、職場、デイケア、スーパー、電車など)に行きにくい/知人や友人に会いにくい/他の人の目が気になる

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ジスキネジアの治療

治療はごく一部の精神科、脳神経外科、神経内科、歯科などでおこないます。

原因となっている薬の量を減らしたり、1回の服用量を減らして回数を増やす、薬の種類を変更するなどの対応がおこなわれます。

アメリカでは2017年に世界初のジスキネジア専用薬「バルベナジン」の販売が始まり、日本では2022年に国内販売(商品名:ジスバル)され、ジスキネジアの治療に精通した医師(歯科医師は不可)のもとでジスバルを使用した治療が始まりました。

ジスバルによるジスキネジアの治療はごく限られた医療機関でおこなっています。大学病院でも治療おこなっていなことが多く、当クリニックでの診察後に医療機関をご紹介させていただくことも可能です。服用すると症状がかなり緩和されることが多い傾向にあります。

ジスキネジアの症状を抑えるために常時ジスバルを服用される方がいる一方で、友人の結婚式に出席するときだけ、会社の面接時だけジスバルを服用される方もいます。

歯科ではマウスピースを作製したり、傷つきにくい入れ歯の作製、とがっている歯を丸めるなどして、舌や頬の外傷を軽減していきます。

マウスピース  ジスバル



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